『ピッチは、常に明日を目指す人のために存在している』 ジネディーヌ・ジダン



2010年10月6日水曜日

選ばれるチーム

高円宮杯の兵庫県予選が進んでいます。
<<<9>>><<<10>>><<<11>>>の挑戦は、
まだ続いているようです。

あと1試合で関西大会出場。
全国大会を目指して頑張って欲しいと思います。

今日は夏休みの日本クラブユース選手権での、支部長レポートを読んで感じたことを書こうかと。。。

9年近く一緒に「サッカーを語りあってきた」支部長が、
鳥肌がたつほどの試合「ヴェルディ対グランパス」。

そこに居合わせられなかった悔しさを感じるとともに、
そんな試合を「J同士のチーム」がやっていたことに対する安堵感を
感じました。

いろんな方がこのブログを見てくれていることを承知で書きますが、
申し訳ないけども関西大会で見ることはできなかった、
「個性的なJチーム」を感じたことができたからです。

Jチームでも競合が多い激戦の関東地区
(そんな中でも今にも潰れそうなチームです)

今大会でもレベルの高さを証明した東海地区

ヴェルディとグランパスは、
「個性的なJチーム」にならざるを得なかったのだと思います。


尊敬する監督の一人であるイタリア代表の前監督 マルチェロ・リッピは、

クラブチームの監督は「トレーナー」であり、
代表監督は「セレクター」である

と答えていました。

育成世代のコーチは、
「トレーナー」と「セレクター」の、
両方の能力を持つべきですし、
更に「教育者としての資質」も必要でしょう。

言葉にするのは簡単ですが、
そんな指導者、なかなかいないと思います。
(そういう、アンタはどうなんだと言われるとホンマに苦しい)


だからこそ、
「経験」が必要になってくる。。。

小学生チームや高校の部活には、
経験豊かな指導者がたくさんいらっしゃいます。

国見の小峯監督やヴィッセルの黒田先生の本を読んでも、
ホンマに必死です。。。

指導者自身がハングリーで、
経験が豊かです。

正直言って、
それをJのチームに感じることは少ない。
(全てのコーチがダメだと言ってはいません)

育成部門が「コーチにとっても登竜門」になっていて
「専門家」を置かないチームの方針に問題があるのかもしれません。。。

街クラブのコーチは必死です。
サッカー教えることでは生活できない。
働きながらサッカーを教えている。

Jのジュニアユースコーチの年棒を知るよしはありませんが、
以前、バルセロナのスクールコーチの方に聞いたのですが、
世界一のクラブチームのスクールコーチでも、
アルバイトをしなければ生活できないそうです。

それに比べると日本のJは良くも悪くも恵まれていると思います。

「生活できなくてもいいから、オレが教えたい!」

と思えるコーチがJにいるのか一度聞いてみたいなぁ~と思います。


こないだ柏レイソルの育成部門の記事が出てました。
下部組織には優秀な教育者を揃えるというレイソルの考え方には大賛成です。

Jのコーチが授業参観するなんて、
本当に素晴らしいと思います。

やはり関東のJのチームは、
競争が厳しくて「個性的」にならざるを得ないようです。

関西のJのチームは「選手を選ぶこと」はあっても、
「選手から選ばれること」はまだまだ少ない。

そういう意味ではまだまだユルイと思います。



ワタシなりにいろいろ考えてみました。

1.指導者交流
4種や3種の指導者の中には、非常に優秀なボランティア・コーチの方がいらっしゃいます。そんなコーチの方をもっとスカウトすべきだと思います。またJの指導者の方も、3カ月くらい街クラブや少年団を指導することで、いろんなことを学ぶと思います。あまりに交流がないことはお互いにとって良いことではないと思います。(何もワタシを・・・と言ってるわけではありませんヨ。マジで。)

2.セレクションをやめる
以前、ウチのチームにも4次セレクションまで行った選手がいました。大変やなぁ~と思うと同時に「4回も観んとわからんのかいな」と思いました。自分の眼で観て瞬時に判断するという経験が「見る目」を養うと思います。特にジュニアユースにおいては、あまりにもムダで商売的なセレクションをやりすぎです。本当に必要なら、トップチームもあの規模のセレクションをやるべきですよね。良い選手は自分の足と眼だけで見つけるべきです。

3.進学先を公開
Jの下部組織に入るのは子どもにとっても親にとっても嬉しいことです。しかし大きな不安もあります。Jの下部組織はそれに対する安心感を「入部前に」与えてほしいと思います。ジュニアユースからの進学先、ユースからの進学先などを公開すべきです。「教育機関としての」私立の中学・高校では当たり前のことです。Jのチームが「優れた教育機関」であることを示すべきです。あまりにいい加減な「噂」が多いと思います。


別に採用されなくてもいいんですが(どう考えても採用されないが・・・)、
1つだけ実施するだけで「個性的なチーム」になるはずです。

誤解のないように書きますが、

Jのチームの全ての指導者が悪いとか、
全てのJのチームのサッカーが気に入らんとか、


ではありません。

素晴らしい指導者の方もいらっしゃいますし、
全ての指導者を知っているわけではありません。

Jチームの「育成部門」って、
年間億単位で赤字になっているチームもあるらしいです。

採算が合わないけど「やらなきゃいけない事業」です。
だからこそ、もっともっと「個性的」になって、
「選ばれるチーム」になってほしいんです。
(でないと生き抜けないでしょ・・・)


チームを選ぶ方も考えなきゃいけません。
チーム名で選ぶという時代は終わったと思います。

中学世代のチーム選びにポイントは、

チームで選ぶのではなく、
指導者で選ぶべきだ。


と思います。
(こないだある地域の技術委員長の方もおっしゃっていました)

そういう意味ではまだまだ日本サッカーは、
未成熟なんだと思います。

部活や街クラブとJのチームの差って、
思ったほど大きくない。

Jのチームでも、
「選ばれるチーム」になるために、
いろんな施策を考えているところもあるようです。

Jのチームの指導者は必ずスゴイということはない。
だから、チームを選ぶことは大事だ。

という認識を我々が持つことが大事なのかもしれませんな。



ヒマになるといろいろ考えるコーチより。

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