『ピッチは、常に明日を目指す人のために存在している』 ジネディーヌ・ジダン



2010年8月7日土曜日

個性的な選手は・・・

昨日から東京に来ていることもあって、
土曜日の午前中は全日本少年サッカー大会の決勝を観戦してきました。



ディアブロッサ高田FCU-12(奈良)
VS
バディSC(神奈川)


いろんな個性を見ることができた試合でした。
見ていて楽しいサッカー。
そして考えさせられるサッカーでした。

序盤はお互いに硬くなっていたせいか、
セーフティなプレーが目立ちました。

10分過ぎに高田FCが鮮やかな攻撃で、
バティゴールを攻め込みます。

個人技と組織の意思が融合した、
個人的には大好きなサッカーでした。


この攻撃を凌いだバティも、
攻撃的な姿勢になり、
一気に試合がヒートアップしてきます。

私たちが、
オランダ対スペインに、
打ち合いの試合を求めたように、
決勝にも関わらず、
「攻めること」を第一に考えた試合展開
になってきました。


バティSCは、
今回の得点王17番の動きに合わせて、
縦パスを出していくという攻めでしたが、
各選手の個人技は高く、
しばしば面白い攻撃を仕掛けていました。

そして後半。
高田FCの攻撃はますます勢いを強めていきます。

ドリブルが特長のチームですが、
ボールをもらう前の動き(フェイント)がとにかく巧い。
ボールが収まったときには既に勝負がついているシーンが多くありました。
これは勉強になった部分です。


ところが後半15分は過ぎていたでしょうか。
一本の縦パスにバティ17番の選手が走り、
冷静にファーにゴールを決めて、
バティSCが先制します。

勢いがついたバティSCがコーナーからヘッドで決めて2点目で、
勝負がつきました。

面白かったのはこの後。
17番の選手が2度目のイエローで退場になりました。

この選手は、
体格が大きく、スピードもありました。
技術的な部分より気持ちの強い選手でしたが、
高田FCの1対1の対処が非常に上手く、
ボールを奪われるシーンが多かったのです。

ボールに対する執着心が強い17番の選手は、
その気持ちでしばしば注意を受けていました。

試合が始まった当初から、
注目していたのですが、
40分ピッチに立ち続けることが、
できるようなプレーではないと感じていました。

彼が退場していく間、
バティSCサポーターは拍手を送っていましたが、
なんとも言えない違和感を持ちました。

ただ彼のゴールで試合が決まったことも事実。
でも無理をする必要のなかった「くだらないファール」での退場で、
後味の悪さを残したのも事実です。

「ドンマイ」「しようがない」「ナイスゴール」・・・

どれもなんだか違和感があり、
今のワタシには彼に掛ける言葉が思いつきませんでした。
正直、指導者としての限界を素直に感じました。

彼はズルイ選手でもなかったように思います。
気持ちを前面に出すが故にファールになってしまうタイプだと思いました。
スピードと体格を生かしてはいましたが、
ボールをもらう前のポジショニングや動きには非凡なものを感じました。

ゴールで全国制覇を決めて、
レッドで退場。


「規格外の個性」だと思います。
こういう選手を日本でどう育てられるのか。
日本サッカーの育成能力が問われるような気がします。


両チーム、非常に攻撃的で面白い試合でしたが、
ここ最近のJのチームに比べると、
明らかにディフェンスが下手でした。
ディフェンスよりもオフェンスに練習の時間を割いているんでしょうね。


Jはディフェンダーは育てられる・・・


なんだか虚しい気がしないでもありません。。。



高田FCの8番のキャプテンも印象的でした。

なんどか全日の準決勝や決勝を観戦に行きましたが、
いつもコーナーキックあたりから入場してきます。

今年のキャッチフレーズ、

「キックオフの笛より心臓の音が大きく聞こえた」

というような緊張した場面です。

何度となく緊張した顔を見てきました。

先頭を歩く高田FCの8番のキャプテンだけは、
後ろのメンバーを振り返りながら、
鼓舞するように拍手しながら、
入場してきました。

この緊張した場面で、
チームメートのことを考えながら入場する。。。


小さな選手でしたが、
彼もまた個性的な選手だったと思います。


個性的な選手はドンドン出てきていますね。
ワタシ達指導者が、彼らをどれだけ伸ばせるかどうかなんでしょうね・・・


面白い試合でしたが、
考えさせられる試合でした。







急いで宝塚に戻り、
午後は仁川小で練習。

ドリブルやターンなどを練習した後、
インサイドキックの練習をしました。

狭いスペースでのミニゲームで、
5年生と対戦しました。

<13>が素晴らしいドリブルを見せていました。
いろんな失敗をしていましたが、
修正しようとしていたのが良かったと思います。


また体を使ったディフェンスでは、
<6><7><8><11>は、
5年生相手でも通用していたと思います。

<8>も失敗の次にきっちり修正していたのが素晴らしかったです。


明日は試合ですが、
ちょっぴり楽しみになりました。

明日は頑張りましょう!



学びをいかさなきゃイカンと思ったコーチより。

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